清水玲子「秘密」ドラマ第2話レビュー 池脇千鶴が凄かった!

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「秘密~THE TOP SECRET~」第2話放送

しろくろ

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関西テレビのドラマ、月10枠「秘密~THE TOP SECRET~」が2025年2月3日、第2回「鏡の中に生きる私」が放送されました。

本来1月27日に放送される予定が、中居正広問題で揺れるフジテレビの10時間に及ぶやり直し会見のため中止になり、1週遅れての放送です。

原作は1999年に白泉社「MELODY」で連載を開始した清水玲子「秘密~THE TOP SECRET~」、そして現在も連載が続く「秘密 season 0」


脚本は佐藤嗣麻子(「エコエコアザラク」「アンフェア」「陰陽師0」)、第2回の監督は第1回と同じ松本佳奈(「きのう何食べた? season2」「春になったら」「団地のふたり」)。

テレビドラマ第2回の簡単な概要とあらすじを説明すると……

【ネタバレ注意!】
第九のMRIスキャナーを開発した貝沼清孝(國村隼)が、自ら剃刀で首を切って死亡した。
進行性の精神疾患を患っており、それを苦にしての自殺だった。
「脳を『第九』のために役立ててほしい。ただし薪剛(板垣李光人)くん以外の捜査員で」と遺言を残していた。

鈴木克洋(中島裕翔)ら4人の捜査員で貝沼の脳を見ると、「これは薪剛くんへのプレゼントだ」と語る貝沼の恐ろしい秘密が映し出された。

貝沼は28人を殺害し、脳を取り出してはMRIスキャナーの実験に使っていた。
28人殺しの映像、貝沼の狂った脳を見た捜査員は精神に異常をきたし、自殺する者もでた。

鈴木貝沼の脳を破壊し、貝沼の脳内映像を見た自分の脳も破壊しようと自分の頭に拳銃を向ける。

鈴木は「お前が俺の脳を撃ってくれ。誰にもこんな画(え)が見られないように」とに迫り、鈴木に拳銃を向ける。
混乱の状況のなか、鈴木を撃ち殺してしまう……。

そして1ヶ月後、MRI捜査に疑問を持つ捜査一課のたたき上げの刑事・岡部靖文警部(高橋努)が、ある密命を受けて第九に配属される。

コンビニ店員小島郁子(池脇千鶴)が同僚の大学生アルバイト2人を惨殺した。
当初は若い男に入れあげた虚言癖のある中年女が恋人もろとも殺害したと思われていたが、自殺した小島郁子の脳を見ると悲しい犯行動機が浮かび上がる……。

MRI捜査に懐疑的だった岡部は脳内の生々しい映像に衝撃を受ける。

ゲスト出演の池脇千鶴が凄かった!

池脇千鶴が演じた小島郁子のエピソードは原作の6巻に収録されています。


小島郁子のエピソードは、第九のMRI捜査の難しさ、脳内の記憶を見ることで真実が分かるわけではないことが描かれています。

脳内の映像は客観的な事実ではなく、主観に彩られ、悲しみ・怒り・喜びの感情により、映し出される映像も変わっていく。

そして、その主観に願望・夢・妄想が加われば、記憶の映像に恣意的なニュアンスが入り込む。
同じ景色でも、加害者と被害者では異なる記憶の映像になる。

小島郁子を演じたのは池脇千鶴です。

【ネタバレ注意!】
虚言癖があり、少女趣味の服を着る太った中年女性だと思われていた小島郁子は、認知症の要介護の父親を一人で面倒を見ていた。

現実から逃れたい郁子はリストカットを繰り返す。

郁子はつらい現実を生きるため、鏡に映る自分がモデル並みの美女だと思い込み、幻覚を見ていた。

優しく、美しい虚構の世界は郁子が死なずにいるために、現実を生きていくために必要不可欠だった。

しかし、郁子が妄想の世界にいることに気づいたコンビニ店員の同僚が、彼女の幻覚を治してやろうと善意で幻覚・妄想を抑える薬を渡した。

美しい虚構の世界から現実に引き戻された郁子は絶望し、殺人事件を起こし、自殺してしまう。

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小島郁子のエピソード収録の原作マンガが発表されたのは2008年。

原作をはじめて読んだときは衝撃を受け、「映画やドラマの監督は絶対このエピソードを映像化したいだろうなぁ」と思ったものです。

スポーツ報知
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そして小島郁子を演じる女優さんは誰になるかなぁ、難しいよなぁと思っていましたが、まさか清純派女優のあの池脇千鶴が演じるとは……!

17年前の自分に教えてあげても絶対に信じないでしょうね。

さすが池脇千鶴、郁子の悲しみ・怒りが伝わる素晴らしい演技でした。

原作「秘密~THE TOP SECRET~」と秋葉原無差別殺傷事件

実は小島郁子のエピソードは、2008年雑誌メロディに掲載される直前に原稿の絵を差し替えています。

7人死亡、10人が重軽傷を負った秋葉原無差別殺傷事件と類似したシーンが描かれていたそうです。


秋葉原無差別殺傷事件は当時大きなニュースでした。

「秘密~THE TOP SECRET~」に偶然とはいえ、事件を想起させるシーンが描かれていたことで雑誌発売直前に原稿の絵を一部差し換えになり、そのことが当時話題になっていたことを覚えています。

原作ファンとしては、差し替え前の原稿にはどんな絵が描かれていたのだろうと気になっていました。

愛されキャラ岡部靖文! 高橋努の好演

ドラマ第2回では、原作で人気のキャラクター・岡部靖文警部(高橋努)がメインの回でもありました。

岡部は視聴者と同じ立場、MRI捜査とは何か分からない状態、懐疑的な立場で第九に配属され、生々しいMRI映像を見て衝撃を受けます。

MRI捜査とはどのような手法かを視聴者に説明する役割でした。

みよか −関西のええとこ、知って”...

原作の岡部はがっしりとした体格、強面の顔に無精髭、腕にはびっしり剛毛が生えています。

しかし、強面な見た目に反し、や第九の捜査官を心配して世話を焼く役回りで、原作ファンからは「お母さん」と呼ばれています。

高橋努は原作を読み、岡部を「これ俺じゃん」と思ったそうです。

強面の外見と反した岡部の愛らしい一面が高橋努にぴったりでした。

「秘密~THE TOP SECRET~」の公式X(旧Twitter)の高橋努のインタビュー映像を見ると、高橋努自身がおちゃめで可愛らしいおじさんであることが伝わります。

第2回が放送されるとX(旧Twitter)のトレンド1位が「ドラマ 秘密」、そして「岡部さん」「岡部警部」がトレンド入りしていました。

岡部役をきっかけに、可愛いおじさん役のオファーが高橋努に増えるかもしれませんね。

第2話は原作ファンにも好評 第3話ついに青木が登場!

ドラマの第1話は原作からの改変が多く、原作ファンから不満の声があったことはこちらの記事:清水玲子「秘密~THE TOP SECRET」ドラマ第1話レビュー で紹介しました。

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第2話のストーリーは、おおむね原作通りでした。

小島郁子役の池脇千鶴の怪演、岡部役の高橋努の好演もあり、原作ファンの好評の声がネットに書きこまれていました。

そして次週の第3話は、いよいよもう一人の主人公青木一行が登場します。

中島裕翔が鈴木と青木の一人二役を演じることも話題です。

貝沼事件の本筋のストーリーなので楽しみです。

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